平成29年1月4日からクレジットカード納付制度がスタートする。これは、国税の納付手段の多様化を図る目的で平成 28年度税制改正で決まったもの。国税庁が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)へ、国税の納付の立替払いを委託することにより国税を納付する手続きとなる。
対象となるのは、所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税、酒税などほぼすべての税目。加算税や延滞税などの付帯税も対象となる。
クレジットカード納付による最大のメリットは、実質的に納付期限が延びること。納付の手続きをしてから、実際に口座から現金が引き落とされるまでタイムラグが生じるためだ。法定納期限内に納付手続きを完了していれば、引落とし日が納期限後になった場合でも延滞税は発生しない。
このほかメリットとしては、24時間利用可能、現金を持ち歩かなくてよい、時間や交通費が節約できる等々。またクレジットカードを利用することで、ポイントやマイレージが獲得できるというのも大きな魅力だ。
一方、デメリットとしては、納付税額1万円当たり76円(税別)手数料がかかること。そして、納税証明書の発行に時間がかかること。国税庁では「3週間程度かかる場合もあります」としており、金融機関から融資を受けるなど、納税後すぐに納税証明が必要となるケースなどでは注意が必要だ。また、クレジットカードを利用することによる情報漏えいのリスクも頭に入れておく必要がある。
クレジットカード納付は、インターネットの利用が可能なパソコン、スマートフォンおよびタブレット端末から「国税クレジットカードお支払サイト」へアクセスして行う。手順は、「利用規約の確認」→「クレジットカード納付を行う税金の情報を入力」→「利用するクレジットカードの情報を入力」→「入力内容の確認」→「納付手続の確定」→「手続きの完了」。最後の完了ページの画面を印刷する等して保存しておくと便利だ。
選択肢が増えるという意味では大筋で歓迎ムードのクレジットカード納付制度。デメリットもあるので自己責任のもとで慎重に選択したい。