医療費控除の適用を受けるために必要となる医療費の領収書の確定申告書への添付が不要になる。平成29年分以後の確定申告書を平成30年1月1日以後に提出する場合に適用する。平成29年からスタートするセルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)にも適用する。平成29年度与党税制改正大綱に盛り込まれた。
ただし、領収書の添付に代え、医療費の明細書または医薬品購入費の明細書を確定申告書に添付しなければならない。また、領収書は確定申告期限等から5年間は保存する必要がある。この間に税務署長から、領収書(一定のものを除く)の提示または提出を求められたときは、それに応じなければならない。現行でも、電子申告の場合は、一定の記載内容を入力すれば領収書の添付を省略できるが、5年間は提示または提出を求められることがある。
「医療費(医薬品購入費)の明細書」について大綱では詳細が明示されていない。現行の医療費控除で使われている医療費の明細書は、領収書を入れる封筒の表紙に「医療費の明細書」と印刷されており、医療を受けた人、病院・薬局などの所在地・名称、控除の対象となる医療費の内訳等の記載項目があるが、これと同様の様式になるかは現段階では不明。
この改正には経過措置が設けられ、平成29年分から平成31年分までの確定申告については、明細書ではなく領収書の添付でも控除の適用を認める。