山口公認会計士・税理士事務所

広島市南区にある山口公認会計士・税理士事務所です。当事務所は、記帳・税務申告にとどまらず、貴社の経営において必要な財務・経営相談を重視する公認会計士・税理士事務所です。

税務ブログ

賃上げ支援の所得拡大促進税制は中小企業中心に拡充

投稿日:2017年1月21日 更新日:

 平成29年度税制改正では、中堅・中小企業の賃上げを支援する所得拡大促進税制が中小企業を中心に拡充される。所得拡大促進税制は、一定の要件を全て満たした場合に給与総額の増加分の10%を法人税額から控除できる制度だが、今回の改正で、新たに「前年度比2%以上の賃上げ」という要件を設定し、その際の控除率は現行より引き上げ、企業規模で控除率に差を設ける(中小企業者は増加分の22%、大企業で12%)。

 現行制度の一定要件は、例えば平成29年度であれば、
1)給与等支給額の総額が24年度比5%以上(中小企業者は3%以上)、
2)給与等支給額の総額が前事業年度以上、
3)一人当たりの平均給与等支給額が前事業年度を上回る、
との3要件があり、これらを満たせば、増加給与額の10%を法人税額から税額控除(法人税額の10%(中小企業は20%)が上限)できる。給与等支給額は、役員給与は含まず、パート・アルバイトへの給与を含む。

 今回の見直しでは、まず、中小企業者等以外の法人は、現行の要件の一つである「平均給与等支給額が前事業年度を上回ること」との要件を「平均給与等支給額が前事業年度から2%以上増加すること」に見直すとともに、控除税額を、給与等支給増加額の10%と給与等支給増加額のうち給与等支給増加額から前事業年度の給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の2%との合計額(現行は給与等支給増加額の10%)とする。

 一方、中小企業者等については、平均給与等支給額が前事業年度から2%以上増加した場合の控除税額を、給与等支給増加額の10%と給与等支給増加額のうち給与等支給増加額から前事業年度の給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の12%との合計額(現行は給与等支給増加額の10%)とする。つまり、大企業は増加給与額の12%を、中小企業者は増加給与額の22%を、それぞれ法人税額から税額控除できるようになる。

 

提供元:21C・TFフォーラム

-税務ブログ

執筆者:


コメントを残す

関連記事

no image

医療費控除での領収書添付不要に

 医療費控除の適用を受けるために必要となる医療費の領収書の確定申告書への添付が不要になる。平成29年分以後の確定申告書を平成30年1月1日以後に提出する場合に適用する。平成29年からスタートするセルフ …

10年後の税務行政 税務相談や調査にAIをフル活用

本日は、面白い記事を見つけましたので、ご紹介します!今話題のAI(人工知能)について、今後10年で税務にどう絡んでいくのかがわかります!    近年、所得税の申告件数や法人数が増加する一方で …

no image

訪日外国人旅行者に酒蔵で販売した酒を免税に

国土交通省は、訪日外国人旅行者が酒蔵で購入する酒類の酒税を免税とする制度の創設を平成29年度税制改正要望に盛り込んだ。  対象となるのは消費税が免税となる輸出物品販売場の許可を受けた酒蔵で、対象となる …

no image

いよいよスタート! クレジットカード納税

 平成29年1月4日からクレジットカード納付制度がスタートする。これは、国税の納付手段の多様化を図る目的で平成 28年度税制改正で決まったもの。国税庁が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社) …

no image

中企庁 資金繰り管理や採算管理等の早期経営改善を支援します

 中小企業庁はこのほど、資金繰り管理や採算管理等の早期の経営改善を支援する「早期経営改善計画策定支援」の利用申請を開始した。 この事業は、認定支援機関の支援を受けて資金実績・計画表やビジネスモデル俯瞰 …